『FATal Error』




 怒りにのまれ黒ずんだ顔から、今はすっかり色が消えている。
 セドリックは濁流に飲まれている。
 言っていることの全てが理解できない。夢遊病者のたわごとのほうが理にかなっている。
 だが、理解できずとも、彼の言葉は確かにセドリックの感情を増幅させた。
 憎悪とも、怒りとも断定のできない混沌が、言葉を落とす。幸せそうな、彼の頂に立つ男に。

「……お前の全てを奪ってやる」
「やってみせてくれ。この街の全ては、君への贈りものなのだから」















『GIFT』