片翼の天
あらすじ
双子の弟、日髙かけるが亡くなって一年が経った。
日髙あかねは高校二年生になった今も、その死を受け止めきれないでいる。
彼はきっと、あやかしに殺されたに違いない。
弟のかけるは、あやかしや妖怪といったものを見ることができたから。
そんなモヤモヤの残る夏の日。
あかねは突如空から落ちてきた、見えないはずの妖怪――片翼を失った大天狗をその身で受け止め、死にかける。
天との"血結び"の契約が、あかねにあやかしを見る力を授ける。
そして、大天狗の"天"との出会いが、かけるの死の謎を紐解く始まりになる。
登場人物
日髙あかね
高校二年生の人間。剣道をやっている。お父さんは神主。
穏やかな性格だが、いざというときの行動力はすごめ。
日髙かける
高校一年生の人間。あかねの双子の弟。橋から転落し亡くなる。
クールというか達観している。あやかしを見ることができた。
天
大妖怪の大天狗。片翼をもがれて力を奪われた。つがいと子どもがいる。
己こそ最強の大妖怪と謳いまくっている。当然、本心から思っている。
目次
- 第二話 血に名を交わす 壱